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VOL.5
Spring/Summer 2023
9⽉26⽇（⽉）、CFCLは、パリ・ファッションウィークの中⼼拠点となっているパリ16区にある美術館、パレ・ド・トーキョーのTogunaスペースにて、初めてのフィジカルなプレゼンテーションを発表しました。2023年春夏にあたるVOL.5のコレクションに掲げたテーマは「Knit-ware: Blueprint」。かつて、未来を予⾔し想像されたサイエンスフィクションやその中で登場したシルエットとスタイルが現実へと迫ってきた現代社会において、どんなエレガントなニットウエアが必要か、宇宙まで視座を⾼めて⾒つめ直したコレクションです。
プレゼンテーション発表の演出には、セノグラファー（舞台美術）としてアーティストのナイル・ケティング⽒を迎え、多彩なパフォーマーとモデルを起⽤。可能性ある「資源」に覆われた⻘い銀河系“PLAnet”への旅をユーモアをもって表現しました。
LOOK
MOVIE
THEME
Knit-ware
Blueprint
Blueprint
サイエンスフィクションは、ときに未来を予言してきました。しかしそれは決して偶然の成果ではなく、鋭敏な観察眼と美意識を持つ人々が描く未来計画だったのでしょう。機能性の象徴のようなタイトなスーツも、あるいは新たな美意識の存在を彷彿とさせる異型のシルエットも、描かれてきた未来人のスタイルは現実に迫ってきているかもしれません。
現代生活のための衣服を構築するとは、改めてファッションを捉え直すことです。産業構造やライフスタイルの洞察はもちろん、未来予想図を描く作業でもあります。宇宙から地球を見つめるように、科学と空想を行き来するように。今の時代に必要な衣服のあり方を、CFCLはKnit-wareとして提示します。
DF HIGH GAUGE
強いストレッチ加工を施した再生ポリエステルを用いて、ネオプレンのようなダブルフェイス組織をハイゲージで編み立てました。コンピュータープログラミングニットならではの編み端を活用し、見返しや裾の折り返しがない、軽やかな一枚仕立てのデザインです。ジャケットは後身頃に編み続きのリブを配してウエストをマークし、パンツには編み組織によるクリースラインをあしらい、トラウザーズのような印象を与えます。素材の96%にペットボトル由来の再生ポリエステルを使用し、500mlのペットボトルに換算すると、ジャケットは約40本、ブルゾンは約49本、パンツは約39本、コートでは約60本が再生素材として使用されています。
LOOK #1, 2, 3, 4, 5
LOOK #1, 2, 3, 4, 5
POTTERY LUCENT
CFCLのPOTTERYは、1stコレクションから発表し続けているアイコニックなシリーズです。今シーズンは、再生ポリエステルと半透明ナイロン糸を組み合わせ、近未来的で涼しげな、透過するニットドレスを提案します。作成したプログラミングデータから、3Dプリンターのように直接ドレスを出力しています。シームレスでストレッチ性が高いため、あらゆる体型にフィットするデザインです。製造時に裁断工程がないため、ゴミの排出量を最小限に抑えられます。右側のドレスのLCAを実施すると、CFCLが削減すべき温室効果ガスの排出量は5.10kg-CO2e/1pcであるとわかりました。
LOOK #6, 7, 22, 26, 27, 33, 34, 39, 40, 41
LOOK #6, 7, 22, 26, 27, 33, 34, 39, 40, 41
FAÇADE LUCENT
今回のコレクションでも最も複雑なテクスチャであるファサードシリーズは、高層ビルやモダニズム建築の窓、あるいは宇宙ステーションのソーラーパネルなど、均一に配列された構造物に着想しています。表側に再生ポリエステル、裏側に半透明ナイロン糸を用いた袋編みを基本構造としています。縫製後に製品をお湯で洗濯すると、熱湯で溶ける糸を使用した部分の編み地がカールし、まるで建築における梁のような構造を生み出します。部分的に用いた縦に突っ張る性質のリブ組織と、横に突っ張るカール構造を最適にプログラムし、柔らかい糸を用いたニットでありながら、強い張り感を生み出しています。
LOOK #13, 31
LOOK #13, 31
今回のコレクションのシューズは全て、アシックス社（⽇本・兵庫）とのコラボレーションです。
環境省との取り組みをきっかけにスタートしたこのプロジェクトは、アシックスの技術を結集しています。原料調達、製造、輸送、使⽤、廃棄に⾄るライフサイクルにおいて、現時点で温室効果ガス排出量が公表されているシューズのなかで、最少の排出量を達成したスニーカー、GEL-LYTE™ III CM1.95をベースにデザインしました。創業以来、研究開発によって培った履き⼼地の良さを損ねることなく、CO₂排出量の低い素材や、減らすための技術の採⽤、サプライチェーンの再構築によって、シューズの⼀⽣での温室効果ガス排出量を1.95kgCO2e/pair.まで削減しました。この商品は、2023年6⽉の発売を予定しています。
https://www.asics.com/jp/ja-jp/mk/sustainability/cm195
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