2024年はCFCLがフィロソフィとして掲げる3つの柱のひとつである「Consciousness」について、創業時から続けてきた取り組みを全社員で改めて見直す年となりました。2025年7月に予定されているB Corpの再認証に向け、急成長する事業規模に伴い拡大するステークホルダーに対しどのように貢献できるか、そしてファッションを通じて社会にどのような価値を提供できるかを追求していきます。また、2025年はCFCL設立5周年という節目を迎えます。認証素材使用率100%といった全社目標の達成に向けた活動を加速させるとともに、従業員やサプライチェーンにおけるJEDI (Justice=正義・Equity=公平性・Diversity=多様性・Inclusion=包括性) の取り組みをさらに進化させます。これらの活動を通じ、2030年のカーボンニュートラルを見据えた責任ある事業活動を推進してまいります。
今回は以下の5項目に注力して取り組みました。
1. 素材の調達
地球環境および生産者の労働環境への責任の履行が認証された素材の使用率
コットン・イン・コンバージョンについての調査
2. LCA (ライフサイクルアセスメント)
アセテートを使用した製品の検証結果
モヘヤを使用した製品の検証結果
3. CFCL従業員への取り組み
職場環境の改善
継続的な全社JEDI教育
4. カスタマー領域でのベネフィット創造
顧客からのフィードバック/サーベイの結果報告
5. コミュニティ領域でのベネフィット創造
主要な取引先であるニット生産工場の公開
I. 地球環境および生産者の労働環境への責任の履行が認証された素材の使用比率
図1 VOL.8コレクションで使用された素材の使用比率(*1)
*今回の集計にボタン、ファスナー、紐、ウェストゴムなどの付属資材は含まれておりません。
VOL.8コレクションの量産で使用した主要な素材のうち、地球環境や基本的人権への責任の履行が第三者機関より認証された素材の使用率は「81.42%」となりました。(図1)
これまで私たちは認証素材の使用比率を年々向上させてきましたが(図2)、年を追うごとにクリエイションとサステビリティの両立という課題に直面するようになりました。
2024年、ブランドとしてさらなる飛躍を目指し、CFCLはパリ・ファッションウィーク公式カレンダーにて初のランウェイショー発表に至りました(パリ・ファッションウィークの公式カレンダーには若手ブランドが中心に発表するプレゼンテーション形式と、審査を通過したブランドのみが実施を許されるショー形式があります)。この大舞台で求められる洗練性と品質を追求するためにコレクションで使用する素材のバリエーションを拡大、品格のある質感を表現するためにカシミヤやシルクといった天然素材を初めて採用、独特な表情を生み出すためのモール糸やラメ糸などの採用も進めました。これら素材には非認証素材も多く、結果的にはブランド全体での認証素材使用比率を低下させる結果となりました。
今回のプロセスを通して以下の課題を再認識しました。
・シルクや獣毛素材、意匠性の高い複合素材における認証素材の選択肢の少なさ
・アパレル業界における認証素材に対する需要不足(結果としての限定的な供給)
上記項目はCFCLにとって、クリエイションとサステナビリティの両立を追求するために取り組むべき重要な課題です。CFCLは2030年までに認証素材使用比率100%を達成するという目標を掲げており、素材メーカーに対して販売商品の認証取得や、ヴァージン素材の再生素材への置き換えを積極的に呼びかけるとともに、手に入る認証素材を用いた更なる創造性の高いデザイン手法の開発も続けてまいります。
図2 秋冬シーズンにおける認証素材の使用比率の推移
II. コットン・イン・コンバージョンに関する誤表記および返品対応とCFCLの取り組み
CFCLではこれまで環境負荷低減に関する取り組みの一環として、従来型のコットンと比較して環境負荷が少ないとされるオーガニックコットンを積極的に採用してきました。一方、CFCLがVOL.8コレクションにてオーガニックコットンを使用していると表記し販売した一部アイテムにおいて、「コットン・イン・コンバージョン」と記載すべきであった商品が存在していたことが判明しました。
原因の調査を進めたところ、今回の誤表記はCFCLの取引先における情報把握と伝達に不十分な点があり、CFCLにおいても適時に認証証明書を取得する確認プロセスが十分でなかったことが原因でした。この事態を重く受け止め、以下2点の改善を新たに実施し、サプライチェーンのトレーサビリティ向上と再発防止を進めてまいります。
・取引先との情報共有の徹底と、CFCL生産管理部による自発的な再確認プロセスの強化
・CFCLサステナビリティチームによる生産管理部の社内監査プロセスの設立
対象商品をご購入いただいたお客様においては、多大なるご迷惑をお掛けしましたこと、心よりお詫び申し上げます。CFCLでは、お客様のご要望に応じて対象製品(CF008KC044および CF008KN133)の返品を承ります。詳細についてはこちらよりご確認ください。
コットン・イン・コンバージョンについて
従来のコットンの栽培には大量の水や化学肥料、農薬が必要であり、土壌や環境、人体への影響が問題視されています。オーガニックコットンは、これらの化学物質や農薬の使用を制限することで、環境負荷を低減し、より持続可能な綿花の栽培されたコットンを指します。
「コットン・イン・コンバージョン」とは、オーガニックコットンと同じ方法で栽培されているものの、土壌の健全化には一定の期間が必要という理由で、栽培を開始してから約3年の期間を経ていないコットンを意味します。(図3)
図3 従来型コットンからオーガニックコットンへの移行
これらのコットンはオーガニック認証を取得することができず、国際的には「オーガニックコットン」ではなく「コットン・イン・コンバージョン (オーガニックコットンに移行期間中のコットン) 」あるいは単に「コットン」と表記され、取引価格も従来型のコットンと同水準となることが一般的です。この状況により、栽培農家はオーガニック農法を実践しているにも関わらず、一般的なコットンと同じ価格でしか販売ができないため、収入が不安定になるという課題があります。これがオーガニックコットンの普及を妨げる一因となっています。
この世界的な課題に取り組むために、CFCLでは事業パートナーであるスタイレム瀧定大阪株式会社 (以下、スタイレム) と協力して、従来型のコットンを栽培する農地のオーガニック転換を促進しています。スタイレムでは、インドの特定地域における農家に無償でオーガニックコットンの種子を提供し、専門家を現地に派遣して栽培方法に関する知見を共有しています。また、オーガニック移行期間中のコットン(コットン・イン・コンバージョン)をオーガニックコットンと同等の価格水準で買い取り、オーガニックコットンの栽培を開始する農家の支援に尽力しています。
CFCLでは同社が取り扱うコットン・イン・コンバージョンの積極的な採用に加え、オーガニックコットン農家へのより直接的な支援を目的とした新たな取り組みの検討も開始しました。
今回対象となる素材は、コットンの調達からCFCLのオリジナル糸の開発に至るまで国内繊維商社3社を経由していました。誤表記の原因となった情報把握と伝達の不足は、調達された再生ポリエステル糸とコットン・イン・コンバージョン糸を交撚する工程と、ニット製造用の糸に加工する工程の間で発生しました。また、弊社においては、素材の認証証明書を量産開始前までに確認するプロセスが不十分でした。
これらの活動を通じて、サプライチェーンの透明性を一層高めるとともに、LCA算出の精度を向上させ、持続的な環境負荷の低減を引き続き目指します。これらの進捗は、今後のコンシャスネスレポートで定期的に報告してまいります。
CFCLは創業時から「2030年までのカーボンニュートラル達成」を目指し、2025年度中に全商品のLCA(ライフサイクルアセスメント)を算出することを目標としています。設立以来、サプライヤーからの協力を基盤に算出を重ねながら、環境負荷の低減に向けた取り組みを継続してきました。すでに素材切り替えを実現したもの、新たに切り替えを予定しているもの、試作中のものを含め、常に素材選定やものづくりのプロセスをアップデートし続けています。
VOL.8では、パリ・ファッションウィークに参加してから初のランウェイショーを発表しました。洗練されたデザインと高い品質を重視したチャレンジングなものづくりの過程で、複合素材や新しい素材を多く使用しました。算出対象の品番を増やすことに苦戦しましたが、前回より5%多い203型中130品番 (64%) の算出を達成しました。
今回のレポートでは、以下2つの具体的な取り組みをご紹介します。
Ⅰ. アセテートを使用した商品の算出
Ⅱ. モヘヤを使用した商品の算出
Ⅰ. アセテートを使用した商品の算出
CFCLは、2024年秋冬シーズンにあたるVOL.8で、ブランドで初めてアセテートを使用した素材を採用しました。再生ポリエステルとヴァージンナイロンを複合した新しいMILAN RIBシリーズを発表しています。
アセテート繊維は、木材パルプを原料とした天然セルロースを酢酸で化学処理して得られる人造セルロース繊維で、今回私たちは透明性の高いイーストマン社の「 Naia™ Renew」を使用しました。
この素材は、高級感を備えたクリエイションの実現と同時に、環境や社会への配慮も追求する重要な素材です。
Naia™ Renewは、おもに持続可能な方法で調達された木材パルプと認証を受けた再生廃棄物から生成された酢酸を使用して作られており、以下の図4に示す特徴を持っています。
図4 Naia™ Renewについて (*2)
これらにより、環境負荷を最小限に抑え、労働者の健康への配慮がなされた透明性の高い生産体制を実現しています。
さらに同社とのやり取りの中で、アセテートの上流工程である原料調達部分のLCAにおける、初めて実質値のデータを直接取得することができました。LCA算出結果は図5をご覧ください。
図5 アセテートを使用した商品の温暖化ガス排出量
*この商品の混率はアセテート63%、再生ポリエステル28%、ヴァージンナイロン9%です。
調査の結果、上述した特性を考慮すると、アセテートの使用は温暖化ガスの排出量を含め、環境負荷を相対的に低減する素材であることが分かりました。
その他、CFCLの課題として、この製品にも使用しているナイロンのような石油由来のヴァージン素材の使用があげられます。
これまでのレポートでもお伝えしてきたように、石油由来のヴァージン素材であるナイロンは温暖化ガスの排出に直結します。上図の9.68kg-CO2e/1pcのワンピースをすべてナイロンに置き換えた場合、温暖化ガス排出量は13.52kg-CO2e/1pcとなります。
使用割合は微量ですが、この部分を再生素材に置き換える試作をサプライヤーと協力しながら進めています。進捗は今後のコンシャスネスレポートを通じて報告していきます。
Ⅱ. モヘヤを使用した商品の算出
VOL.4から毎年秋冬シーズンに登場するモヘヤ素材を用いた複合糸について、LCAを初めて算出しました。今回対象の複合糸は、モヘヤ、ウール、ヴァージンナイロンの3種類の素材から構成されています。この複合糸は意匠糸であり、特にタムヤーンと呼ばれるループヤーン(輪状の装飾が施された糸)の表面をカットし、毛羽立たせる加工を施すことで、上質な風合いをもたらします。
モヘヤは、アンゴラ山羊の毛を原料とする天然繊維で、絹のような光沢と柔らかな風合いがあり、生後1年未満のアンゴラ山羊から刈り取った毛であるキッドモヘヤを採用しています。
世界の繊維製品の生産量のうち、ウールの占める割合が約0.9%であるのに対し、モヘヤはわずか約0.004%と希少な天然繊維です。 (*3)
図6 世界の繊維生産比率 (種類別)
今回のコレクションでモヘヤを使用した商品は10品番あり、素材使用量は全体の2.6%です。
私たちは原料調達部分の算出に際して各サプライヤーに調査を行いましたが、今回の調査においては必要なデータの取得が叶いませんでした。また、LCI (ライフサイクルインベントリ) *4データベースの利用を模索したところ、モヘヤの流通量が少ないため、同様にデータの取得が困難でした。それを踏まえ、同じ動物性素材のウールのLCIデータベース数値を代用する形で算出を行い、下記図7のような結果を得ました。
図7 モヘヤを使用した商品の温暖化ガス排出量
*この商品の混率はモヘヤ55%、ウール15%、ヴァージンナイロン30%です。
モヘヤ、ウール、ヴァージンナイロンの素材別の温暖化ガス排出量を比較すると、動物性素材であるモヘヤとウールの排出量がヴァージンナイロンに比べ極めて多いことが判りました。
VOL.6のレポートにて、工程別では原料の調達部分 (羊の放牧・飼育・原毛の収穫) での排出量が約77%以上と、大きな割合を占めていることが分かっています。(図8)
また、冒頭でもお伝えした通り、原料調達部分のサプライチェーンが複雑なため、不透明部分の工程がCO2排出の大部分を占めていると考えられます。
図8 工程別温暖化ガス排出量の割合
原料製造〜ニッティング〜お客様着用後の廃棄まで全工程別の分布
また、私たちはLCAを算出する過程で、2つの課題を認識しました。
1つは原料調達部分の不透明性です。原料調達の過程が不透明であると、LCAの正確な数値を算出することが難しくなります。もう1つは動物福祉の問題です。現地で働く人々の労働環境やミュールジングなどの動物福祉の問題の把握ができません。
これらを踏まえてVOL.10からは、倫理的に経営されている農場から調達されているRMS認証(*5)、RWS認証(*6)取得済み素材への切り替えを実施します。進捗は今後のコンシャスネスレポートを通じて報告していきます。
CFCLは海外への事業展開を積極的に行い、世界に通用するグローバル企業を目指しています。このことを実現するためには、社員のパフォーマンス維持やウェルネス向上の観点だけでなく、世界中の優秀な人材の獲得の観点においても、社内におけるJEDI (Justice=正義・Equity=公平性・Diversity=多様性・Inclusion=包括性) の推進が不可欠と考えています。私たちはJEDIへの取り組みを単なる選択肢や義務として捉えるのではなく、CFCLにとって本質的な価値を生み出す活動であると認識しています。
CFCLでは一人ひとりが多種多様な考え方や体型を有しているのと同じように、社員それぞれの背景や視点、経験の多様性が革新を生み出し、成功を促す鍵であると考えています。CFCLは多様なバックグラウンドを持つスタッフの採用を進めており、現状では以下のような構成となっています。
図9 従業員の構成
*詳細については、弊社の採用方針をご覧ください。
*日本のアパレル業界における女性スタッフの平均比率は約75%、管理職に占める女性の割合は約27%です。また、日本の全産業における管理職の女性比率の平均は約10%です。
前回VOL.7のレポートにて、CFCLの全社員へJEDIの学習を実施し、理解を深めた上で実装のフェーズに進む旨を報告しました。B Corp再認証プロセスの一環としてJEDIの取り組みを見直した際、私たちには学ぶべき点が依然として多く、まずはJEDIに関する理解の深化が必要と考えました。
2024年10月から11月にかけて、サステナビリティチームを中心にB Corpが開発したJEDIボードゲーム「Let’s Play Equal」を活用し、オフィススタッフや店舗スタッフを含む全社員対象のワークショップを16回に渡り実施しました。このゲームはチームビルディングとダイバーシティ&インクルージョンを理解するためのマネジメントツールとして設計されています。ワークショップでは、JEDIに関するグローバルな視点と、CFCLの職場環境の双方に基づいた観点から全社的な対話を促進しました。ゲームの後には反省点や意見、JEDI推進に向けた新たなアイデアを収集しました。これらの活動を通して以下のことが分かりました。
・JEDIのテーマに対する社内の共通理解や意識・関与度の不足:
全体的なJEDIアンケートの回答率は52%で、その中の46%の社員が、ゲームで取り上げられたテーマについて 「部分的にしか理解していない」と回答した
・ワークショップ、セミナー、管理職向けのJEDIコースなど、さらなる教育の機会を求める意見がアンケートで最も多かった
以上の結果を踏まえ、CFCLでは、短期的にはプロセスの改善に取り組み(図10)、中期的にはJEDI教育に注力して進めていきます(図11)。Phase 1では、スタッフからの直接的な声をもとに、即座に実施可能な以下4つの職場環境改善を進めます。
図10
JEDIのテーマは複雑かつ多層的であり、日本では広く議論される機会が限られているのが現状です。CFCLでは社員とマネージャーの間に本質的な理解を深め、それに基づく意義のあるポリシーを設けるために、社員向けに包括的かつ継続的な学習機会を提供する必要性を認識しています。その一環として、Phase 2では以下4つのJEDI教育プロセスを推進します。
図11
同時に、第1回目のワークショップから得られたフィードバックと社員のアイデアをもとに、CFCLは既存方針の見直しを進め、新たな取り組みを段階的に導入しています。既存の方針に統合可能な施策や、即時実施が可能な取り組みも含まれており、第1段階として新入社員のオンボーディングプロセスのアップデートに着手します。
また、CFCLでは職場における英語でのコミュニケーションを推進しています。2025年4月には、主要業務言語を日本語から英語に移行する予定です。この取り組みは、世界中から多様なバックグラウンドを持つ人材を受け入れる基盤を整備するとともに、よりインクルーシブな職場環境を創出するための重要なステップとなります。
2025年も引き続き、CFCLはJEDI教育を最優先課題として取り組みます。改善点を精査しながら社内方針の見直しを進めていきます。進捗は今後のコンシャスネスレポートを通じて報告していきます。
CFCLにとって顧客とは単なる商品の購入者ではなく、社会的・環境的な価値創造を共にする重要なステークホルダーであると捉えています。CFCLの直営店舗やオンラインストア、または取引先の百貨店やセレクトショップにて商品を手に取っていただいた顧客からのフィードバックは、私たちにとって非常に貴重な機会です。
私たちは、CFCLの理念やポリシーに沿った価値提供を実現できているかを顧客からのフィードバック/サーベイで定期的に確認しています。その結果を私たちのクリエイションや経営に反映させることで、顧客および社会により良い製品と価値提供を促進しています。
<実施状況>
集計期間:2024年7月26日 (金) 18:00 – 8月1日 (木) 18:00
配信方法:メールマガジン (2024年7月26日 (金) 18:00配信)
<主要発見事項>
CFCLの商品は、性別を問わず幅広い年齢層 (20代から70代まで) に認知され、購入されていることが確認できました。その中でも、回答した顧客のうち1/3以上が6点以上の商品を購入しており、ブランドへの高い支持が明らかになりました。また、商品は普段使いだけではなく、仕事やビジネスイベント、フォーマルからオケージョンの場面まで、さまざまなシーンで着用されていることも判明しました。
カテゴリ別の満足度フィードバックでは、全般的に高い満足度を得られています。CFCLの理念やイージーケア、サステナビリティ、品質、耐久性に対する満足度が高い一方で、価格と価値のバランスや品揃え、サイズ展開への改善点を見いだせました。
図12 満足度フィードバックの調査結果
これらのフィードバックを踏まえ、オンラインストアにおけるユーザーエクスペリエンス (UX) の改善、商品説明の充実、サイズ展開の拡充、オムニチャネルの強化、アイテム数の増加、店頭でのコミュニケーション改善、販路の拡大といった、今後取り組むべき課題が明確になりました。
次回以降のカスタマーサーベイでは、サステナビリティ関連の活動を一層強化するため、CFCLのサステナビリティへのアクションに対する認知度や顧客の購買意欲、利用頻度や商品の保有期間などへの影響に関する調査項目を充実させる方針です。進捗は次回以降のコンシャスネスレポートにて公開する予定です。
CFCLは創業時より一部のコラボレーション商品を除き、「メイド・イン・ジャパン」にこだわったものづくりを続けています。高品質な商品を提供することはもちろん、私たちがコミュニティでの活動を重視する主な理由は以下の2つです。
1. 透明性の高いサプライチェーンの実現
2.重要なコミュニティであるニット産地への貢献と地域経済の活性化
これら活動を通じて、ニット産地の持続可能性を確保し、次世代へと繋げることを目指しています。
今回は2点目に対する具体的な取り組みとして、主要な取引先であるニット生産工場(*7)の情報を開示します。詳細は、CORPORATE INFORMATIONでご覧いただけます。
*7 1年以上継続した生産委託の実績があり、工場訪問を含む定期的なコミュニケーションを行っている工場
図13 取引先である主要なニット生産工場
ニット生産工場はCFCLにとって重要なコミュニティの一つです。私たちは、各工場と利益を分かち合いながら、共に成長し、持続可能な未来を築く「共存共栄」の関係を目指しています。各工場との情報を公開する目的は以下の2つです:
・ニット産地の雇用機会拡大への貢献
日本の繊維産業が抱える課題として、地方の人口減少、担い手の高齢化、後継者不足による事業承継など、深刻な雇用問題が挙げられます。CFCLはこの取り組みを通じて、各工場が新たな人材を迎え入れるきっかけを提供したいと考えています。
・ニット生産工場の評価向上と事業拡大への貢献
高品質なものづくりを支える工場の価値を広く伝え、新たな事業機会を創出するサポートを目指しています。これにより、工場の発展に寄与することを期待しています
今回公表したのは、ニット生産工場に関する情報ですが、今後は1つめの「透明性の高いサプライチェーン実現」に向けて、原料から素材・製品加工のサプライヤーに関する情報公開を予定しています。
CFCLの取締役・役員・社員で、CFCLのポリシーに違反すると思われる発見または法律に抵触すると思われる発見をした場合は、以下の問い合わせ窓口にいつでも連絡することができます。
問い合わせ窓口:小松隼也 弁護士 (三村小松法律事務所)
email:komatsu.junya@mktlaw.jp
CFCLの最新ポリシーはこちらに記載をしております。
*1
・GRS (グローバル・リサイクルド・スタンダード) は2008年にControl Union Certificationによって策定され、2011年にTextile Exchangeに譲渡された認証プログラムです。GRSは、リサイクル含有物、加工流通過程管理、社会および環境慣行、化学物質規制の第三者による認証要件を設定する、国際的な製品基準です。
・GOTS (グローバル・オーガニック・テキスタイル・スタンダード) は代表的な国際基準策定機関によって、原料の収穫から社会的に責任のある製造を経て、消費者に信頼できる保証を与えるラベリングに到るまで、「繊維製品が正しくオーガニックである」という状況を確保する世界的なルールを定めるために開発された国際的な世界基準です。
・OCS (Organic Content Standard) 認証は、製品に含まれるオーガニック素材の含有量を第三者が検証する国際基準です。原材料から最終製品までのオーガニック素材の追跡可能性を保証し、信頼性を提供します。
・RCS (リサイクル・クレーム・スタンダード) は、最終製品に含まれる原材料に5%以上の再生材料を含んでいるかどうかを審査する国際認証です。
・FSC (森林管理協議会) は、環境、社会、経済の便益に適い、きちんと管理された森林から生産された林産物や、その他のリスクの低い林産物を使用した製品を目に見える形で消費者に届ける仕組みを保証する認証です。
・OCS( Organic Content Standard) 認証は、製品に含まれるオーガニック素材の含有量を第三者が検証する国際基準です。原材料から最終製品までのオーガニック素材の追跡可能性を保証し、信頼性を提供します。
・PEFC™認証 (Programme for the Endorsement of Forest Certification) とは森林資源を持続可能に利用し、環境、社会、経済のバランスを考慮した森林管理を推進する国際的な認証制度です。
*2
・FSC®認証 (Forest Stewardship Council認証) とは環境、社会、経済の便益に適い、きちんと管理された森林から生産された林産物や、その他のリスクの低い林産物を使用した製品を目に見える形で消費者に届ける仕組みを保証する認証ですFSC認証について | Forest Stewardship Council
・PEFC™認証 (Programme for the Endorsement of Forest Certification) とは森林資源を持続可能に利用し、環境、社会、経済のバランスを考慮した森林管理を推進する国際的な認証制度です。PEFC認証制度の特徴 – 森林認証SGEC/PEFCジャパンを通じて提供されています。
*3 Textile exchange (参考)
*4 LCI (ライフサイクルインベントリ) データベースとは、製品やサービスのライフサイクル全体にわたる環境影響を定量的に評価するためのツールのこと。CFCLでは主に産業技術総合研究所、産業環境管理協会によって共同開発されたIDEAを使用しLCA算出を行っている。
*5 Responsible Mohair Standard認証:ファッション、繊維、アパレル業界全体で気候変動に対する前向きな行動を推進する世界的な非営利団体Textile Exchangeによる、国際的な自主基準であり、認証農場から最終製品までのアンゴラ山羊の追跡管理 (チェーン・オブ・カストディ) を定めた国際的な任意規格。
*6 Responsible Wool Standard認証:RMS認証同様、非営利団体Textile Exchangeによる国際的な自主基準であり、認証農場から最終製品までの羊毛の追跡管理 (チェーン・オブ・カストディ) を定めた国際的な任意規格。
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